遺伝と遺伝子 メンデルの法則よりも詳しく

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遺伝子ってなんだっけ

先日、ヒョウモントカゲモドキ(ヤモリの仲間)のブリーダーさんと話す機会があり、
遺伝子って興味深いと感じる一方、”生物の授業すっかり忘れてる”と気づかされました。

僕の遺伝子の知識はメンデルの法則ですっかり止まっていたのですが、
学びなおしてみると最近の遺伝子事情にはとても驚かされます。

そこで今回は遺伝子に興味のある人にも、生き物のブリーダーを目指す人にも必見の遺伝の基礎をまとめてみました。


(ヒョウモントカゲモドキ:飼育しやすく様々な模様や目の表現があるので人気が高い)

最近は優性の法則とは呼ばない??

メンデルの法則を思い出す(完全優性)

それぞれの先祖をさかのぼってみても同じ性質の、
丸いえんどう豆(AA)しわのあるえんどう豆(aa)を用意します。

掛け合わせると、次の代ではすべてが丸いえんどう豆(Aa)になります。
それぞれの遺伝子を持っていても、丸い性質(A)が優先的に表現されることになります。

丸い豆遺伝子はしわ豆遺伝子に対して優性。しわ豆遺伝子は丸い豆遺伝子に対して劣性と言います。
優性側をアルファベットの大文字で書くことが通例になっています。

(Aa)同士を掛け合わせると更に次の世代では、丸い豆:しわ豆の比率が3:1になります。
これはAA:Aa:aaの比率が、1:2:1になり、しわ豆になるのはaaのみのため。

(AA)、(aa)を『ホモ接合』、(Aa)を『ヘテロ接合』と言います。
ホモは同じ・よく似たという意味で、ヘテロは異なる・異種のという意味です。

丸い豆としわのある豆のように、ヘテロ接合で一方の性質のみが現れるものを完全優性と言います。

トピックス

優性・劣性は、優れている・劣っているというわけではありません。
しかし、こうした表現が誤解を招くという懸念から、優性を「顕性(けんせい)」、劣性を「潜性(せんせい)」という表現に変えられる見込みです。
(この記事では復習する人向けに優性、劣性という表現で進めます。)

実は完全優性のように、どちらかがハッキリが現れるようなケースは例外的なようです。
完全優性だけでは説明できないことが多いので、最近では優性の法則ではなく単に優性と言うようです。

不完全優性とは

赤いキンギョソウ(RR)と白いキンギョソウ(rr)を掛け合わせると
次の世代の全てのキンギョソウ(Rr)はピンク色になります。

ヘテロ結合のとき、どちらの特徴も半々に表現される場合を不完全優性と言います。


(キンギョソウ:色幅が広く金魚のような花弁をもつ)

なお、ピンクのキンギョソウ(Rr)同士を掛け合わせると、
赤(RR):ピンク(Rr):白(rr)の比率は、1:2:1になります。

複対立遺伝子と共優性

一つの遺伝子座に入る遺伝子が3つ以上ある場合、複対立遺伝子と言います。
ヒトの場合はABO式血液型などが当てはまります。

AはOに対して優性なので、AAとAOの場合がA型になります。
BもOに対して優性なので、BBとBOの場合がB型になります。
OはAにもBにも劣性なので、OOの場合のみO型になります。

ABの場合は、A型の特徴とB型の特徴の両方が出る形になり、これを共優性と言います。
A型とB型では赤血球を覆っている糖が違いますが、AB型では両方の糖をもっています。

トピックス

細かく見ると血液型の遺伝子はABOのみではなくそれらの亜型や、
AB型遺伝子とも言えるシスAB型があり、多くの遺伝子群からなる複対立遺伝子と言えます。

生殖細胞と遺伝

染色体と遺伝子組換え

DNAはとても細いのですが、細胞分裂のときには折りたたまれて染色すれば顕微鏡で見えます。
この状態のものを染色体と言い、染色体ごとに見ていくと遺伝がとても説明しやすくなります。

例外もありますが、有性生殖をおこなう動物の多くは、2本1組で対になった染色体を持っています。
一方は父親から、もう一方は母親から受け取ったものです。
(ヒトの場合は、23組46本の染色体をもっています。)

1本の染色体には多くの遺伝子が含まれているので、
同じ染色体にある遺伝子は一緒に遺伝しやすくなります。
(一緒に遺伝しない場合もあります。後述)

さて、精子や卵といった生殖細胞(配偶子)は減数分裂という複雑な過程を経て作られます。
通常の細胞では対になっている染色体ですが、対にはならずどちらか一方の染色体を持ちます。

ヒトを例にすると、生殖細胞が持つ組み合わせは2の23乗で約830万通り。
精子と卵の組み合わせも考えると約70兆通りになります。

これだけでもすごい組み合わせですが、生殖細胞がつくられるときに、
父親と母親(生まれてくる子から見れば祖父母)の染色体の一部が交差(組換え)されます。

遺伝子の組換えというと、遺伝子工学の人工的な遺伝子の組換えを
思い浮かべるかもしれませんが、生殖細胞でも遺伝子の組換えは行われています。

トピックス

長い二重らせん構造のDNAには多くの遺伝子が含まれています。
この遺伝子間の距離が短いほど、その箇所で組換えが起こる可能性は低くなります。

まとめ

遺伝子の話、いかがだったでしょうか。
身近なのに奥が深くて、学びなおしている間とても楽しめました。

遺伝の中には複数の遺伝子や環境が関わる多因性のものも多く、
遺伝子のみですべてが決まるわけではありません。

遺伝子については技術革新もあり、改めて倫理が重要視されるようになりました。
倫理を考えるにあたって、まずは知ることが第一歩だと思います。

遺伝子に関する逸話や、技術革新についても改めて記事にできたらと思います。お楽しみに。

参考文献

学んでみると遺伝学はおもしろい(ベレ出版)
進化論の世界(創元社)
面白くて眠れなくなる遺伝子(PHP研究所)

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