無料の魅力  なぜ私たちを熱狂させるのか『忙しい人のための行動経済学』

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無料

何かを得るのにお金がかからないこと。

行動経済学として見ると、人々は無料のものに集まります。
また、無料少額とでは、人のふるまいは大きく異なります。

無料の具体例

  • アマゾンの配送料無料
    ご存じのとおり、アマゾンは世界中で大成功を収めました。特筆すべきは、当初フランスのみ売れ行きが良くなかったことです。
    フランスのみ送料を1フラン(それでも破格)にしていたことが原因でした。無料と少額とでは、人の選択は大きく変わります
  • 購入時に、無料で○○プレゼント
    他の商品と抱き合わせ販売しても、無料の大きな魅力は効果を発揮します。
  • ○○日間返品無料
    気に入らなかったら無料で返品できることはとても魅力的です。
    損失を回避できる選択肢があることは、不安を減らしてくれます。

無料の注意点

人の集まりすぎに注意

某牛丼チェーンはキャンペーンで牛丼無料にしましたが、
来店した車が渋滞を作ってしまい、チェーン店は謝罪するに至りました。

携帯電話で、一定以上は話し放題のプランが始まったとき、
利用量は想定の2倍にも増えてサーバーが追い付かず、
結果として、会社側は外部サーバーを借りることで手痛い出費となりました。

従来の経済学では、200円のものが100円になった場合と、
100円のものが無料になった場合とでは、同じ100円の差と考えられました。

しかし、無料であることは、想定以上に人を集める場合があります。

無料がアンカーにならないように注意

無料の力を使う場合、数量限定のほかに、できれば期間限定とした方が良いでしょう。
以前の記事でもご紹介したアンカー(価値の基準)はすぐには変わらないものの、
長く無料を続けると、無料がアンカーとなってしまいます。

牛丼の無料に人は並びますが、ポケットティッシュの無料にはあまり並びません。
ポケットティッシュが配られるときは無料というアンカーがあるためです。

無料の応用

人が無料を選ぶわけ

人はなぜ、無料のものに心惹かれるのでしょうか。
その大きな理由の一つとして、損失回避があります。

何か買うのをためらうとき、
「買ってもあまり使わないのではないか」
「払うお金に見合うものだろうか」
と、考えるものですが無料の場合は、その心配がありません。

何かを選ぶときに無料であることは、心の負荷を軽くしてくれるのです。

無料のものに人は優しくなる

無料と少額とでは人の振る舞いはどのように変わるのでしょうか。

お菓子売り場を設け、キャラメルが1個1セントの場合と、
無料(数量制限なし)の場合とで比較実験されました。

1個1セントの場合、1時間あたり58人が立ち寄り、
一人あたり3.5個購入しました。

無料の場合では、1時間あたり207人が立ち寄り、
1人あたり1.1個持っていきました。

無料の場合、3倍以上の人が集まりました
しかし、それぞれの人が持っていく量は約1/3になりました
自分が取りすぎると、他の人が困るだろうと考える人が多かったのです。

このように、無料のものに対して多くの人は社会的規範(他者への思いやり)を持ちます

私たちを普段と違う気持ちにさせる無料の魅力、いかがだったでしょうか。
よく見かける無料の品々も、様々な思惑で無料になっているものです。

日本に『タダほど高いものはない』ということわざがあるのは、
こうした無料への過剰反応を、ご先祖様も気づいていたからかもしれません。

何にせよ無料になっている背景を考えて、正しく買い物を楽しみたいですね。

心とお金の関係。人の判断が変わる要因は、まだまだたくさんあります。
それは別の記事でご紹介します。お楽しみに。

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