パーソナルトレーナー3大資格(NESTA・NSCA・JATI)を徹底的に比較してみた

最近、テレビでお馴染みのRIZAPなどの影響でパーソナルトーレーニングに対する関心が高まっています。それに伴い、トレーナーになりたいという人も増えています。

筆者もそのうちの一人なのですが、フィットネス業界に勤めた経験もなければ、体育系の学校を出ているわけでもありません。趣味でトレーニングをやっているおかげで人並み以上の知識は持っているつもりですが、資格や大会の受賞歴などの武器は持っていないのが現実です。

これからトレーナーを目指そうという方の中には、筆者と同じような状態の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、トレーナーとして働く際の武器となる資格について

  • 「NESTA-PFT」
  • 「NSCA-CPT」
  • 「JATI-ATI」

の3つの有名資格を徹底的に比較しました。

タイプ別のオススメ

どれがオススメかだけ教えて

という方のために結論から発表します。

NESTAーPFTがオススメな人

  • 体育・医療系の学校出身 or 実務経験1年以上の人
  • 様々な専門資格の取得を目指したい人
  • ジム派遣などのサポートを受けたい人
  • 東京・名古屋・大阪のいずれかに近い地域の人
  • テキストの量が少ない方がいい人

NSCAーCPTがオススメな人

  • 大学・専門学校卒業でなく、実務経験も無い人
  • 費用をなるべく抑えたい人
  • 少しでも知名度の高い資格がほしい人
  • JATIーATIの取得も考えている人
  • 東京・名古屋・大阪のいずれからも遠い地域の人
  • 受験時期を自由に設定したい人

JATIーATIがオススメな人

  • 大学・専門学校出身 or 実務経験3年以上の人(必須)
  • すでにNSCAなどの資格を持っている人
  • 日本の資格にこだわりたい人
  • 東京に近い地域の人
  • 更新にかかる手間の少なさを優先したい人

以上が各資格をオススメする人の特徴です。このような振り分けになった理由を説明していきます。

各資格の概要・特徴

まず初めに各資格の概要と特徴を簡単に説明していきます。

NESTAーPFTの特徴

NESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)は、アメリカに本拠地を置くパーソナルフィットネストレーナーの資格認定団体です。1992年から活動しており、世界20カ国に約1万人NESTAーPFT(パーソナルフィットネストレーナー)がいます。

フィットネスに関する知識だけでなく、「パーソナルトレーナー」という職業の役割や、ビジネスとしてのパーソナルトレーニングの考え方までカバーしたカリキュラムが特徴です。

また、「スペシャリスト資格」という専門資格が20種も用意されており、他トレーナーとの差別化を図ることも可能です。

就業については「プロフェッショナルトレーナー制度」という支援制度があり、NESTAと提携しているジムなどで派遣トレーナーとして活動し、キャリアを積む事が可能となっています。

このように、パーソナルトレーナーとしての専門的なレベルアップ・キャリアアップの環境が整っている点がNESTAの特徴と言えます。

NSCAーCPTの特徴

NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)は、NESTAと同じくアメリカに本拠地を置く資格認定団体です。1978年から活動しており、3資格の中では最も歴史が古く、知名度も高いです。

世界52カ国で活動しており、世界で1万6千人以上NSCAーCPT(認定パーソナルトレーナー)がいます。上位資格のCSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)も含めると5万4千人以上の認定者になるので、団体の大きさが分かりますね。

カリキュラムの内容はNESTAと大きく差は無いですが、ビジネスに関する部分は無いので範囲はやや狭くなるかと思われます。

NSCAには「レベルアッププログラム」という実技の講習・認定制度があります。3資格はいずれも筆記試験だけのため、この制度を利用する事により実技面でのスキルの習得とその証明ができます。

また3資格の中でセミナーが最も頻繁に行われているがNSCAです。毎月全国各地でセミナーが行われています。

このように、NSCAはNESTAに比べ教育機関という色が濃い点が特徴です。

JATIーATIの特徴

JATI(日本トレーニング指導者協会)2006年に、「日本におけるトレーニング指導者の相互研鑽」を目的として設立された比較的新しい団体です。

国内の認定資格としてよく知られており、日本の資格のみを募集している企業などに有効となります。

日本の団体が管理しているという事もあり、大学・専門学校などとの繋がりが強く、養成学校も全国に存在します。学校などで指導者として働きたいと考えている方はこの特徴が有利になるかもしれません。

「JATIーAATI」「JATIーSATI」という上位資格は有資格者が少なくないため、「他トレーナーとの差別化」が狙えます。

セミナーも、首都圏が中心ではありますが、比較的多く開催されています。

日本のトレーナーに関する資格としては「健康運動指導士」「健康実践指導者」がありますが、これらはパーソナルトレーナーよりも医療・介護・学校などの現場で働く人が多く取得している資格です(もちろんパーソナルトレーナーの方も大勢います)。

民間資格ではあるものの、受験条件がかなり厳しいため本記事ではあえて紹介しません。興味の有る方はこちらの募集要項をご覧ください。

3資格の間で就職への有効度に大きな差はない

個人的な見解ですが、この3資格の間で就職への有効度に大きな差はないと思われます。トレーナーの求人情報を検索してみると、トレーナー経験者・有資格者優遇と記載しているところが多く、どれかの資格だけが除外されているケースは稀でした。

そもそもこれらのトレーナー資格は一般には広く認知されていないため、顧客から見た際にはほぼ違いがありません。フリーで活躍する場合はこれがより顕著になります。

関係者から見た場合も「トレーナーとしての最低限の知識を身に着けている」という指標にしかならないでしょう。

未経験者も多く募集しているフィットネス業界の現状を見る限り、これらの資格が武器になることは間違いないと思いますが、「有資格者=優秀な人材」とはならない点に注意が必要です。

受験条件(学歴など)の比較

いくらやる気と知識があっても、条件を満たしていないとそもそも受験することすらできません。(こいうところで学歴が効いてくるんですね…)

各資格の条件として「満18歳以上で、高校を卒業している事」が共通で定められているので、これを満たしていない人は高卒認定などの取得が必要となります。

各資格の条件について見ていきましょう。下記の表の条件を1つでも満たせば受験する事ができます。

  受験条件(1つでも満たせば可)
NESTA 体育系・医療系の大学・専門学校を卒業している
1年以上の実務経験がある
上記いずれかの条件を満たしていない場合、講習の受講が必要(¥35,000~)
NSCA 満18歳以上で、高校を卒業している
JATI 大学・専門学校を卒業している(見込みも含む)
3年以上の実務経験がある
NSCAなどの指定資格を持っている or 取得した経歴がある人(講習が不要に)

NESTANSCAは上記に合わせて、消防署などでCPR・AEDの講習を受ける必要があります。(原則無料)

JATIの場合、受験の前に事前講習を受ける必要があるのですが、上2つのどちらかを満たしていない場合、受講することができません。

NSCAなどの指定資格を持っている場合は、講習自体を受けなくて済むため受験が可能となり、費用と手間も大幅に削減できます。

受験条件はNSCAが最もハードルが低い

各資格の条件を見比べてみると、JATIが一番厳しい条件となっています。「3年以上の実務経験・指定資格の取得」はこの記事を見ている方にはほぼ当てはまらないと思うので、高卒の人は受験自体が不可能となります。

比べて、高校を卒業していればいいNSCAが最もハードルが低いです。

NESTAも高卒で受験することができますが、有料講習の受講(Web可)が必要となるためNSCAに比べ受験費は高くなります。前述の条件を満たせば講習代を浮かす事ができるので、「フィットネスクラブ等で1年バイトしながら勉強して受験」という選択肢もあります。

合格率に大きな差はないが、NESTAのテキスト量は魅力

資格の価値が大きく変わらないなら、少しでも簡単に取得できるほうが嬉しいですよね?

難易度に関する受験者の声は様々で、「NESTAが難しい」という人もいれば「NSCAが難しい」という人もいます。まず3資格とも受験する方が少ないと思うので、受験者の声から比較するのは難しいです。

そこで本記事では3資格の難易度を「テキストのボリューム」「試験のボリューム」「合格率」で比較しました。なお、試験形式は3つともマークシート形式で記述問題はありません。

テキスト 試験 合格率
NESTA A4 / 220p 120分 / 125問 50~60%
NSCA B5 / 748p 180分 / 155問 65%
JATI B5 / 480p 180分 / 180問 約60%

合格率だけを見ると3資格の難易度に大きな差は無いようですが、テキストと試験のボリュームには大きな差があります。

テキストのページ数で見るとNSCAのページ数はNESTAの3倍以上です。単純に考えればページ数が増えれば覚える内容も増えるので難易度は上がりそうですが、合格率はむしろNSCAの方が高いです。

一瞬「NESTAではテキスト外の範囲が出題されるのでは?」と疑ったのですが、公式のQ&Aで否定されていましたので、しっかりテキストを覚えれば合格できるのは間違いないです。

試験の問題数を見るとNESTAが最も少ないため、1問あたりの配点が高く、解答時間も短く設定されています。この事が比較的低い合格率の一因になっているのかもしれません。

合格点に関しては、NESTAが80%と決まっているのに対して、NSCAは「スケールド・スコア」と呼ばれる相対的スコアを用いています。ざっくり言えば「皆の点数が低ければ合格点も下がる」というシステムです。JATIは合格点の記載自体がありませんでした。

この比較結果の受け取り方は様々でしょうが、個人的にはテキストページ数の少ないNESTAに魅力を感じますね。

受験にかかる費用の比較

MOSや簿記などの一般的な資格に比べ、トレーナー資格は受験料・教材費ともに高額です。

ちょっと取ってみようかな~

というレベルの金額ではないのでよく検討する必要があります。

各資格の受験費用を見ていきましょう。前の項目で触れましたが、NESTAとJATIは条件によって講習費用が加算されます。その場合JATIの講習費には教材費も含まれているため教材を別で買う必要はありません。NSCAの教材は公式からの購入が必須では無いため中古でもOKですし、自信があれば教材無しでの受験も可能と言えば可能です。

  受験料 教材費 講習費用
NESTA ¥58,900 ¥13,600(必須) ¥35,000
NSCA ¥45,200 ¥21,320(任意) 講習無し
JATI ¥32,400 (¥12,440) ¥105,000

これらを合計すると

受験費用(合計)
NESTA(講習あり) ¥107,500
NSCA(教材あり) ¥66,520
JATI(講習あり) ¥137,400
NESTA(講習なし) ¥72,500
NSCA(教材なし) ¥45,200
JATI(講習・教材なし) ¥32,400

となります。

ちなみに試験に落ちたときの再受験料ですが、NESTAは1万円に割引されるのに対して、NSCA・JATIは同額の受験料がかかります。なんとしても一発合格を狙いましょう。

受験費用はNSCAが最安

講習なし・教材なしのパターンも記載しましたが、これらに当てはまる方は少ないと思います。そう考えた場合、受験費用はNSCAが¥66,520で最安となります。後ほど解説しますが、全国どこでも受験する事ができるので交通費なども抑える事ができます。教材を中古で手に入れられれば更に費用を抑える事も可能です。

逆に最高値のJATIの場合は計6日間の講習・試験にかかる交通費・宿泊費などが加算されるため¥137,400よりさらに高くなります。裏道としてNSCAを取得してから受験するという手もあります。時間と手間は増えますが、講習が不要となるため単純計算で合計¥98,920となり、費用を抑えられます。

NESTA「フィットネスクラブ等で1年バイトしながら勉強して受験」という手を使えば¥72,500となりNSCAと大差ない費用に抑えることはできます。ただ受験会場は東京・名古屋・大阪のみなので、交通費等を考えるとNSCAとの差が大きくなる場合が多いと思います。

資格の維持にかかる費用の比較

費用の事を考えた時にまず気になるのは受験費用だと思いますが、本当に気にするべきは維持費用です。先ほど説明した受験費用も高額ですが、長期で見た時には維持費用のほうが大きくなります

一度資格をとって満足ならそれはそれで構いませんが、せっかく時間とお金を費やして取得した資格なので出来れば持ち続けたいですよね。

取得自体を迷っている方は、これから説明する費用を払い続けることも考えたうえで、資格の取得を検討して下さい。

各資格の維持にかかる費用は「年会費」「更新料」「単位取得費」の3つに分けられます。このうち、「単位取得費」については取得方法が複数あるため、金額が定まっていません。なるべく安く済むよう計算していますが、誤差がある事はご了承下さい。

ホームページや問い合わせから調べた維持費用です。税込み表示が無かったものは+8%して計算しています。

  更新年数 更新費 年会費 単位取得費
NESTA 4年ごと ¥21,600 不要 ¥20,000~
NSCA 3年ごと ¥9,600 ¥12,960 ¥16,200~
JATI 5年ごと ¥21,600 ¥10,800 ¥5,400~

これをもとに1年あたりの維持費を計算すると

  1年あたり
NESTA ¥21,150~(¥10,400~)
NSCA ¥21,560~
JATI ¥16,200~

となります。

維持費用はJATIが最安

NESTAの最低価格をカッコで表示しているのは、その価格に抑える方法がハードだからです。詳しくは後ほど説明しますが、現実的には¥63,000の更新費用がかかる方法を選択する方が多いと思われます。

その場合、NESTAの1年あたりの維持費用は¥21,150となり、NSCAと大きな差はありません。

ただしNESTAの場合、セミナーなどの参加が必須となっています。当然、遠方から参加する場合は旅費や宿泊費などがかかるので、上記の数字以上の費用がかかることになり、3資格の中では最も高い維持費になってしまうでしょう。

JATIは更新が5年に1度という事も影響し、1年あたりの維持費は最安となります。

受験のしやすさの比較

受験のしやすさはどうでしょうか?開催場所が遠方の場合、余分な費用がかかりますし、開催時期によっては受験自体が困難になる可能性もあります。

それぞれの受験方法について見ていきましょう。

受験会場
NESTA 東京・名古屋・大阪
NSCA 全国
JATI 東京・北海道・宮城・大阪・福岡・沖縄
頻度
NESTA 東京毎月、名古屋・大阪2ヶ月ごと
NSCA テストセンターの営業日ならいつでも
JATI 東京年2回、その他年1回
事前講習
NESTA 試験前日、同会場にて(任意)
NSCA 無し(Webで任意の受験対策講座は有)
JATI 年1回、2週連続、東京のみ(必須)

NESTAの事前講習の受講は任意ですが、受けなかったとしても受講料が戻ってくる訳ではないためなるべく受けた方がいいでしょう。

JATIの事前講習は一部の有資格者を除き必須で、2018年度は8/4(土)・8/5(日)と8/18(土)・8/19(日)計4日間に渡り東京で行われます。※残念ながら今年度の申し込みは7/13に締め切られています。

受験のしやすさはNSCAが優秀

受験のしやすさにおいてはNSCAが優秀です。テストセンターの営業日であれば年中受ける事ができ、全国に試験会場があるのはありがたいですね。事前講習もないため半日程度で済みます。

東京・名古屋・大阪の近辺にお住まいの方ならNESTAの受験も難しくはないと思われます。

JATIの受験は正直なところ東京近辺の方でないと難しいです。試験はまだしも、事前講習に2週連続で参加するのはなかなかハードです。今後、講習会場が増えてくれる事を願います。

更新のしやすさの比較

トレナー資格の更新は、運転免許のように簡単な講習を受けて終わりとは行きません。

資格を取ったはいいけど更新が大変で流しちゃった…

という事態にならないためには、事前に更新方法を知っておく事が重要です。

更新方法は少し複雑なので1つずつ見ていきましょう。NESTA、NSCA、JATIの順に解説していきます。

NESTAの更新方法

NESTAの更新は4年に一度で、その間に更新に必要な単位を5.0単位取得する必要があります。

単位の取得方法は次の3つです。

  1. スペシャリスト資格を取得する「5.0単位」(¥63,000)
  2. セミナーなどを受講する「0.5単位」(¥2000~)
  3. 通信講座を受講する「0.5単位」(¥8000)

1.のスペシャリスト資格は「NESTAーPFTの特徴」で紹介した専門資格です。東京・大阪・愛知で行われる2日間の講習に参加し、認定試験に合格することによって取得でき、更新に必要な5単位が一気に得られます。

2.のセミナーは夏に行われるイベント「サマーセッション(東京・大阪)」「SPORTEC(東京)」でまとめて受講するのが基本です。不定期開催のセミナーもあるようですが詳細は告知されていません。

サマーセッションは1日最大4講座受講する事ができ、東京で2日間(土日)、大阪で1日(日)開催されるため2~3年で5.0単位の取得が可能です。

SPORTECも1日最大4講座受講でき東京にて3日間開催されるのですが2015年以降、平日しか開催していません。地方にお住まいの方や土日休みの方などは受講が難しいのが現実です。

「5単位取得=10講座受講」にかかる費用は、サマーセッションで¥40,000程度SPORTECで¥20,000となります。SPORTECのみで5単位取得できれば維持費用を3資格中最安にする事ができます。

3.の通信講座は自宅で受けられるメリットはありますが、1講座¥8,000と高額なのに加えて「通信講座で取得した単位だけでは更新ができない」という制約があるため、あまりオススメできません。「セミナーだけでは単位が足りない」という場合に利用しましょう。

まとめると、東京・大阪近辺にお住まいの方はセミナーでの取得が費用面から有利ですが、その他の地域の方はスペシャリスト資格の取得が一番手っ取り早いと思われます。ただの更新では無く、同時に新しい資格が取得できるという点がNESTAのポイントです。

NSCAの更新方法

NSCAの更新は3年ごとなのですが「取得から何年」という形では無く、全資格者共通の有効期限が設定されています。取得した年によって有効期限までの長さが変わるので、更新に必要な単位も変わるというシステムになっています。(NSCAではこの単位の事をCEUと呼びます)

2018年に資格を取得した場合2020年末までに4.0単位必要となります。

単位の取得方法はNESTAと比べて複雑です。おすすめの取得方法を後ほど紹介しますので、まずは全容を流し読みして下さい。

これらを組み合わせて必要な単位を取っていくのですが、1つ重要なルールがあります。それは「カテゴリーごとに取得上限が設定されている」という事です。下の表がその上限一覧です。

各カテゴリーの上限値 必要単位
認定日 A B C D
~2017年 5.5 4.0 5.5 3.5 6.0
2018年 3.5 2.5 3.5 1.5 4.0
2019年 1.5 1.0 1.5 1.0 2.0
2020年~6月 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

有効期限の2020年に取得した人以外は1つのカテゴリーでは必要単位が取得できないようになっています。

「NESTAに比べて複雑」と言った意味がお分かり頂けたでしょうか。

一番めんどくさくなくて、安い方法を教えて!

という声に応えて、おすすめの組み合わせを紹介します。(MAX3年間6単位の場合です)

  1. CEUクイズ15回「計3.0単位」(計¥16,200)
  2. パーソナルディベロップメント3年間「計1.5単位」(手数料不要)
  3. ホームスタディ3分野「1.5単位」(手数料不要)

この3つの組み合わせをおすすめする理由の1つめが自宅のみで更新が可能な事です。1・2はWebでの手続き、3は郵送での手続きとなるためセミナーなどに出向く必要がありません。地方住みの方には非常にありがたいですね。

2つめの理由が手数料が最も低くなる組み合わせだからです(運営に確認済み)。自宅のみなので交通費等もかかりません。

3つの取得方法を簡単に説明します。

1.のクイズは、「トレーニングに関する記事を読んでその内容について設問に答える」というもので、Webでいつでも行うことができます。1回0.2単位取得でき、¥1,080の手数料がかかります。

2のパーソナルディベロップメントとは「パーソナルトレーニングに関する知識を日々学んでいます」ということを申告するものです。と言っても、証明となるものの提出などは不要で、Webで申告する形だけのものとなっています。年1回申告することができ、0.5単位取得できます。

3のホームスタディとは受験用問題集の中に含まれている「認定試験受験ガイドブック」の課題と解答をレポートとして提出するというもので、1分野につき0.5単位取得できます。最大3分野1.5単位まで取得できます。

以上がNSCAの更新方法です。一見複雑ですが、今回おすすめした方法ならそこまでややこしくはないと思います。

最後にJATIの更新方法をみて行きましょう。

JATIの更新方法

JATIの更新は5年ごとで、必要単位は15単位となっています。

単位の取得方法はNSCAよりも更に多いため割愛しますが、現実的には以下の4つの組み合わせになると思います。(公式の一覧はこちら)

  1. 講習会に参加する「1時間0.1~1.0単位」(参加費様々)
  2. AED・CPRの講習を受ける「1講習で2.5単位、最大5.0単位」(原則無料)
  3. ワークノートを提出する「一般・専門科目それぞれ2.5単位」(手数料不要)
  4. 継続単位付与問題に合格する「1回0.5単位」(1回¥540)

1.の講習会は都市部を中心に開催されていて、講習会ごとに取得できる単位が違っています。最も効率の良い講習会は「健康運動指導士会主催・JATI共催講習会」で2日間の講習で、更新に必要な15単位が取得できます。費用は¥16,200で講習会のみで15単位取得する場合、現時点でこれが最安となります。(運営確認済み)

去年から半年に1回ほどのペースで東京、愛知、神奈川の順に開催されていて、今後どこで開催されるかは分かりませんが、おそらくは都市部となるでしょう。そのため、地方の方は2.3.4.を組み合わせるのがオススメです。

2.のAED・CPRの講習「消防署」「赤十字」「ライフセービング協会」などで受ける事ができ、2回で5.0単位まで取得できます。消防主催のものは原則無料です。

3.のワークノートはいわゆる問題集の事で、受験の際の講習会でも提出を求められます。一般科目と専門科目に分かれていて合計5.0単位取得できます。

4.の継続単位付与問題は2ヶ月に1回発行される機関誌の内容にそったクイズの事で、Webで解答でき、合格すると0.5単位が取得できます。取得制限はありませんが、1回あたり¥540の手数料がかかるのと、「1項目の単位だけでは更新できない」という制約があるため注意が必要です。

以上がJATIの更新方法です。NSCAと同じく、一見複雑に見えて選ぶ組み合わせは限られているため、受験のしにくさとは打って変わって更新はしやすいと言えます。

地方在住者には自宅のみで更新できるNSCAとJATIがオススメ

地方在住の方には、自宅のみで更新できるNSCAとJATIがオススメです。更に比べるとすれば更新年数、維持費用の差でJATIの方が優秀です。

NESTAの場合、大きな特徴であるスペシャリスト資格を取得される方が多いと思いますので、4年に1度新しいスペシャリト資格をとれば自然と更新条件を満たす事となります。

NESTAの更新は「交通費なども考えると他2つに比べ費用はかかるが、単位を意識しなくて済む」とも言えます。東京・愛知・大阪の近辺の方は試験の参加も難しくないので、更新しやすいと感じる方もいるでしょう。

本記事のまとめ

NESTAーPFTのメリット・デメリット

  • 豊富なスペシャリト資格によって武器を増やせる
  • プロフェッショナルトレーナー制度が利用できる
  • 高卒でも受けられる
  • 体育系・医療系の大学・専門学校を卒業しているか1年以上の実務経験がないと受験費用が高くなる
  • テキストの量が少ない
  • 合格率が少し低い
  • 再試験の費用が安い
  • 東京・名古屋・大阪でしか受験できない
  • 自宅のみでの更新が不可能
  • 維持費用が最も高くなる
  • スペシャリト資格をとる場合、更新の手間が不要

NSCAーCPTのメリット・デメリット

  • 知名度がわずかに高い
  • レベルアッププログラムで実技面のスキルを習得できる
  • セミナーが頻繁に開催されている
  • 高卒で受けられる
  • テキストの量が多い
  • 合格率が少し高い
  • 受験費用が最安
  • 全国どこでも、いつでも受けられる
  • 資格の有効期限が短い
  • 自宅のみで更新可能

JATIーATIのメリット・デメリット

  • 日本の大学・専門学校などとの繋がりが強い
  • 上位資格の有資格者が少ないため差別化できる
  • 高卒では受けられない(抜け道有り↓)
  • NSCAなどの資格を持っていれば高卒でも受験でき、受験費用が最安となる
  • 抜け道を使わない場合、受験費用が高く、東京近辺でないと受験困難、チャンスも年1回
  • 資格の有効期限が長く、維持費用も最安
  • 自宅のみで更新可能

まとめ

パーソナルトレーナーの3大資格について、細かな部分まで徹底的に比較しましたがいかがだったでしょうか?

3資格のぞれぞれにメリット・デメリットを把握し、皆さんの状況・目的に合った資格を選んで頂ければ幸いです。

筆者はスペシャリスト資格とプロフェッショナルトレーナー制度に魅力を感じたためNESTAの受験を考えています。

本格的に勉強を始めたらその内容もアップしていくので、トレーナーを目指す方は一緒に頑張って行きましょう!