「痩せるためには代謝を上げる事が大事!」、ダイエット情報でよく見かけるフレーズです。
では、この「代謝」とは何でしょう?消費カロリーとどう関係するのでしょうか?
今回はこれらの疑問を解消していきましょう。
代謝ってなに?
さきほど「代謝とは何でしょう?」という質問をしましたが、少しイジワルな質問でした。なぜなら、代謝は様々な意味で使われる言葉だからです。
どういう意味で使われるのか、1つずつ見ていきましょう。
消費カロリーを指す言葉として
体がカロリーを消費すること全体を指す場合です。ダイエットの観点ではこの意味で使われる事が多いです。
- 「筋肉を増やして代謝を上げる」=「筋肉を増やして消費カロリーを上げる」
- 「体温を上げて代謝を高める」=「体温を上げて消費カロリーを高める」
という風に、「消費カロリー」と置き換えるとイメージがしやすいと思います。
基礎代謝を指す言葉として
消費カロリーの基礎となる部分を基礎代謝と呼びます。(あとで詳しく解説します。)
ダイエット情報のなかではこの基礎代謝を上げる事が重要視されがちなので、略して「代謝」と呼ばれる事があります。
- 「代謝を上げると消費カロリーが上がります」
- 「代謝がいいほど運動効果が高まります」
という風に、代謝とカロリーを消費することが同時に使われている時は、基礎代謝の意味でとらえるとイメージしやすいです。
体の中の生化学反応を指す言葉として
食べた物を分解し栄養素やエネルギーを取り出したり、エネルギーを使用して体に必要な物質を作り出したりする、体のなかでの生化学反応を指す場合です。「代謝」という言葉の本来の意味です。
「脂質代謝」や「糖代謝」など、医学的、化学的な文で使われることが多いです。
消費カロリーはどうやって決まるの?
代謝は様々な意味で使用されるとお話しましたが、本記事では「消費カロリー」の意味で使用していきます。
代謝=消費カロリーは大きく分けて次の3つで構成されます。
とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です。中身は難しくありません。ひとつずつイメージをつかんでいきましょう。
寝てても消費されるカロリー:基礎代謝
「カロリーを消費する」と聞くと「歩く」「走る」などの運動を思い浮かべる方も多いと思いますが、人間が一日の中で最もカロリーを消費している活動は生命の維持です。
全身に司令を出している脳、熱を作り出し体温を維持する筋肉、全身に血液を運ぶ心臓、その他様々な器官は、例え一日中寝ていたとしても生命を維持するため活動し、カロリーを消費しています。
このカロリーを「消費カロリーの基礎となる代謝」=基礎代謝と呼び、一日の消費カロリーの約60~70%を占めています。
大きな割合を占める部分なので、ダイエット情報では基礎代謝を上げる方法がよく紹介されています。筋肉や体温などに着目した方法ですね。
しかし、基礎代謝の量は年齢・性別・身長・体重によって決められる部分が大きく、すぐに上げる事は難しい項目です。基礎代謝を上げるには長期的な視点が必要になってきます。
動いた分の消費カロリー:生活活動代謝
寝てても消費されるカロリーが基礎代謝だとお話しましたが、毎日動かず寝てばかりの方はほぼいないと思います。
ランニングなどの運動はもちろんですが、家事や仕事などの日常生活でも人は体を動かしカロリーを消費しています。これらの「生活の中の活動で消費するカロリー」を「生活活動代謝」と呼び、一日の消費カロリーの約20~30%を占めています。
前述の基礎代謝は大きな消費カロリーを持っていますが、努力による変動が少なく、すぐに上げる事は難しいです。
ですが、生活活動代謝は意識的に動けばすぐに上げる事ができます。なので消費カロリーを上げるためには生活動代謝を上げる事が重要になってきます。
食べ物を消化・吸収するために消費されるカロリー:食事誘発性熱産生
私達は食べ物からカロリーを摂取していますが、食べ物を消化・吸収するためには、これらに関わる内蔵を働かせる必要があります。この働きのために消費されるカロリーが「食事誘発性熱産生」です。
摂取カロリーに対してどれくらいのカロリーが消費されるかは、前述の三大栄養素の比率によって変わるのですが、平均で10%程度になります。
たまに「食べる量を減らすと、消化にかかるカロリーが減るから逆効果!」のような情報を見かけますが、一部分にだけ焦点を当てた、いい加減な情報なので惑わされないように注意して下さい。
この食事誘発性熱産生も基礎代謝とおなじく、努力によって大きく上げる事は難しい項目なので、優先順位としては低いです。
本記事のおさらい
- 代謝には様々な意味があり「消費カロリーを指す場合」「基礎代謝を指す場合」「生化学反応を指す場合」などがある。
- 代謝は基礎代謝・生活活動代謝・食事誘発性熱産生の3つで構成される。
- 基礎代謝=「寝てても消費されるカロリー」
- 生活活動代謝=「動いた分の消費カロリー」
- 食事誘発性熱産生=「消化・吸収のために消費されるカロリー」
最後に
いろいろな所で見かけるため、ぼんやりとしがちな代謝のイメージが、少しはハッキリしたでしょうか?
ネットや雑誌で見かける「代謝を上げる方法」の中には明らかに怪しい方法も存在します。そういったものに出会った時には、本記事の内容を思い出して、信憑性の高い方法を選んでいって下さい。
本サイトでも代謝を上げる方法を紹介していく予定なので、参考にして下さい。